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​コース主任からのご挨拶

 日本の歴史は、いくつもの出発点があります。また世界の歴史と一体となって動きます。「日本」の姿や形も時代や切り取り方によって様々です。つまり日本史は、「日本」という枠に閉じ込められた一つの歴史ではなく、「日本」をも越えるたくさんの歴史の複合なのです。ですから、日本史を学び研究することは、「日本」で結び合う様々な地域・立場の人びとのくらしに目をむけることでもあります。
 おそらく皆さんは、本コースでの学習や研究を通して、今につながる様々な問題や課題に深く気づくことでしょう。歴史はいくつかの選択が積み重なった結果です。そして過去を変えることはできません。しかし未来は選択できます。私は、歴史に責任をもつとは、我々が未来にとっての歴史的存在であることを自覚し、未来社会に責任をもつことだと考えています。その自覚と覚悟で過去を見つめるならば、歴史は多くの重要な示唆を与えてくれるでしょう。過去に学び、今をしっかり生きることで、未来社会が誇れる自分や「私たち」であり続けることを目指し努力していって欲しいと思います。

コース主任 下村 周太郎

教員紹介

​(文学部日本史コース所属)

a : 担当している主な日本史の専門科目(括弧内は配当年次)

b : 主な研究業績
c : 関心をもっている領域・テーマ

田中 史生
TANAKA Fumio

古代史/教授

a.

日本史演習1A・1B(2~)

日本史演習5A(3~)


b.

『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房、1997年)
『倭国と渡来人』(吉川弘文館、2005年)
『国際交易と古代日本』(吉川弘文館、2012年)
『国際交易の古代列島』(株式会社KADOKAWA、2016年)
『越境の古代史』(株式会社KADOKAWA、2017年)


c.

日本古代史。国際交流史。列島各地の地域的な国際交流と、渡来人や交易者、文字や仏教など、越境する人や文化の研究を通して、列島の古代社会の歴史的多元性や多様性、国際性の解明を進めている。

下村 周太郎
SHIMOMURA Shutaro

中世史/准教授

a.

日本史演習​3A・3B(2~)

日本史演習6A・6B(3~)

日本史講義2(2~)

​歴史学(1~)

b.

「「幕府」概念と武家政権史」(『史海』62、2015年)
「中世における樹木観・竹木観の展開」(『木材の中世』高志書院、2015年)
「法と公文書」(『日本「文」学史 第二冊』勉誠出版、2017年)

「頼朝と征夷大将軍任官」(『征夷大将軍研究の最前線』洋泉社、2018年)

「九条兼実における天文密奏と天変祈祷」(『変革期の社会と九条兼実』勉誠出版、2018年)


c.

中世史。イデオロギー、徳政、自他認識、歴史意識、心性、概念史、街道、戦争、非常時、天変地異、水辺環境、樹木観、生命観などをキーワードに、中世の国家論・社会論について研究しています。

谷口 眞子
TANIGUCHI Shinko

​近世史/教授

a.

日本史演習2A・2B(2~)

日本史演習8A・8B(3~)

日本史講義5(3~)


b.

『近世社会と法規範――名誉・身分・実力行使』(吉川弘文館、2005年)
『赤穂浪士の実像』(吉川弘文館、2006年)
『武士道考――喧嘩・敵討・無礼討ち』(角川学芸出版、2007年)
『赤穂浪士と吉良邸討入り』(吉川弘文館、2013年)
河野貴美子・Wiebke DENECKE・新川登亀男・陣野英則・谷口眞子・宗像和重編『日本「文」学史 第二冊 「文」と人びと――継承と断絶』(勉誠出版、2017年)

​『葉隠〈武士道〉の史的研究』(吉川弘文館、2022年)


c.

近世史。大名家・将軍家・天皇家による恩赦、戦国時代から明治時代に至る武士道論と兵学、赤穂事件と「忠臣蔵」文化の形成・受容、殉死などを研究している。最近では、軍事史的観点から名誉・忠誠・愛国心を、日本史・東洋史・西洋史で比較する試みもはじめている。

鶴見 太郎
TSURUMI Taro

近現代史/教授

a.

日本史演習7B(3~)

日本史講義8(3~)

日本民俗学(1~)

​日本環境史(1~)


b.

『柳田国男とその弟子たち』(人文書院、1998年)
『橋浦泰雄伝』(晶文社、2000年)
『民俗学の熱き日々』(中公新書、2004年)
『座談の思想』(新潮社、2013年)
『リーディングス戦後日本の思想水脈4 日常からの挑戦』(岩波書店、2016年)


c.

近現代史(思想・文化史)。柳田民俗学とその支持者を分析対象としながら、戦前・戦中期の国民の生活・思想・文化を、民俗学・文化人類学・文学など多角的視点から研究。

真辺 将之
MANABE Masayuki

近現代史/教授

a.

日本史演習7A(3~)

日本史講義4(2~)


b.

『西村茂樹研究』(思文閣出版、2009年)
『東京専門学校の研究』(早稲田大学出版部、2010年)
『大隈重信――民意と統治の相克』(中央公論新社、2017年)

『猫が歩いた近現代――化け猫が家族になるまで』(吉川弘文館、2021年)


c.

日本近現代史(特に明治時代)。もともとは、明治政府の取った「欧化主義」と
呼ばれる思想・政治潮流への反発の動きを研究していたが、近年は、近代日本の
政党認識に関する研究や大隈重信研究、早稲田大学史研究なども進めている。

藤田 佳希
FUJITA Yoshiki

古代史/講師(任期付)

a.

日本史演習5B(3~

日本史講義3(2~)

日本史概論1(2~)

武士の日本史(1~)

b.

「王権から見た武士 ―武士・将種・兵―」(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』59-4、2014年)

「源経基の出自と源頼信告文」(『日本歴史』805、2015年)

「武士と六芸 ―仁明朝の特質をめぐって―」(『日本歴史』855、2019年)

「六芸からみた乗馬習慣」(『馬と古代社会』八木書店、2021年)

「中世の源経基像と武士の系譜意識」(『日本歴史』895、2022年)

​「元慶の乱における「将種」」(『史観』188、2023年)

c.

古代・中世史(奈良~鎌倉初期)。武士の成立過程解明をメインテーマとしている。特に、武士を英雄とする考えや武士への蔑視などの価値観がどのように誕生したのかについて関心がある。

教員紹介

​(文化構想学部所属)

川尻 秋生
KAWAJIRI Akio

古代史/教授

a.

日本史概論2(2~)


b.

『古代東国史の基礎的研究』(塙書房、2003年)
『日本古代の格と資財帳』(吉川弘文館、2003年)
『戦争の日本史4 平将門の乱』(吉川弘文館、2007年)
『全集日本の歴史
4 揺れ動く貴族社会』(小学館、2008年)
『シリーズ日本古代史5 平安京遷都』(岩波書店、2011年)
『古代の東国2 坂東の成立 飛鳥・奈良時代』(吉川弘文館、2017年)


c.

古代史。東国を中心とした地域史。日本と中国の比較による法律の歴史。寺院を中心とした仏教史。歴史の機微を大切にしながら日本の古代史を考えていきたいと考えている。

藤野 裕子
FUJINO Yuko

近現代史/准教授

a.

​日本社会経済史


b.

『都市と暴動の民衆史――東京・1905-1923年』(有志舎、2015年)
「男性史とクィア史」『第4次現代歴史学の成果と課題』(績文堂出版、2017年)

『民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中央公論新社、2020年)

c.

日本近現代史(明治期〜戦後)。これまでは、20世紀初頭の都市暴動などに関する民衆史・社会史的研究を進めてきた。近年は、ジェンダー・セクシュアリティ史に関心を持っている。

久保 健一郎
KUBO Kenichiro

中世史/教授

a.

古文書学1・2(2~)


b.

『戦国大名と公儀』(校倉書房、2001年)
『戦国時代戦争経済論』(校倉書房、2015年)
『戦国大名の兵粮事情』(吉川弘文館、2015年)
『中近世移行期の公儀と武家権力』(同成社、2017年)

​『列島の戦国史1 享徳の乱と戦国時代』(吉川弘文館、2020年)


c.

中世史。戦国大名における公儀の研究から出発し、中世後期の戦争と経済をめぐる人間や社会の動向に関心を持っている。

伊川 健二
IGAWA Kenji

近世史/教授

a.


b.

『大航海時代の東アジア――日欧通交の歴史的前提』(吉川弘文館、2007年)
『イタリア史料の収集および整理による中近世移行期日本史像の再検討』(2013年、科学研究費若手研究(B)研究代表者伊川健二)
『世界史の中の天正遣欧使節』(吉川弘文館、2017年)


c.

中世・近世対外関係史。中世から近世にかけての知的交流の歴史にとくに関心をもっています。貿易や使節の交換などの直接的な人々の交流のほかに、境界をまたいで間接的に伝達された情報の量と多様性を追求したいと思っています。

非常勤講師

​このほか、日本史・日本史学コースでは、毎年非常勤講師の先生方にも各専門領域に関する授業を担当していただいています。

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